レンタルサーバーからCloudflare pagesに移行して速度・安さ・属人化排除がどうなるのか検証

「Webサイトの表示速度が1秒遅くなると、コンバージョン率は約7%低下する」という話を聞いたことはありませんか?
Webサイトの表示速度とユーザーの行動には関係があり、複数の調査で、ページの表示が遅くなるほどコンバージョン率や売上に影響することが示されています。
実は、レンタルサーバーには表示が遅くなりやすいケースがあります。
多くのレンタルサーバーでは、訪問者がページを開くたびにサーバー側でページを生成して返す構成が使われるため、アクセスが集中すると表示に時間がかかる場合があります。
Webサイトがビジネスの重要な接点となっている今、サイトが「重い」ということは、それだけで機会損失につながる可能性があります。
もし現在、レンタルサーバーでWebサイトを運用していて、
- ページの表示速度が遅い
- サーバーの維持費がかかっている
- サーバーを管理できる担当者が限られている
- 担当者が変わるとサイトを管理できる人がいなくなる
といった課題を抱えているなら、一度インフラ環境を見直してみる価値があります。
本記事では、当社がレンタルサーバーから Cloudflare Pages(クラウドフレア ペイジズ)へ移行支援を行った事例をもとに、表示速度・コスト・運用体制がどれほど改善したのかを数値でご紹介します。
「現在のサーバー環境に限界を感じている」、「Web運用の最適解を探している」という広報・マーケティング責任者の方は、ぜひ移行判断の材料としてお役立てください。
Cloudflare Pagesとは?なぜWebサイトの運用が変わるのか
Cloudflare Pages(クラウドフレア ペイジズ)とは、世界的なITインフラ企業であるCloudflare社が提供するWeb公開サービスです。
従来のレンタルサーバーでは、「1台のサーバーにすべての負荷をかけ続ける」という仕組みでした。
これに対し、cloudflare pagesは、世界中に張り巡らされたネットワークを使い、訪問者に最も近い場所からサイトを即座に表示させます。
この仕組みに切り替える最大のメリットは、単にWebサイトが速くなることだけではありません。
- 速度:Webサイトの表示時間を短縮
- コスト:サーバーの固定費を削減
- 運用体制:ソースコードを管理し、担当者に依存しにくい環境へ変更
「サーバー管理」という見えない負担をすべてシステムに任せることで、Webサイトを「コストがかかる場所」から「安定して収益を生み出し続ける資産」へと変えることができます。
なぜ「レンタルサーバー」を捨て、「Cloudflare Pages」を選んだのか
Webサイトの公開方法には、レンタルサーバー以外にも、ホームページ作成サービスやクラウドサービス、自社でサーバーを構築する方法など、さまざまな選択肢があります。
ただ、作成サービスはサイトが他社の仕組みに閉じ込められて自社の資産になりにくく、自社サーバーは構築も保守も自分たちで担う必要があり、「分かる人にしか触れない」状態を深めてしまいます。
特別な設定なしに初めから同時に解決できるバランスの良さこそが、Cloudflare Pagesを選んだ理由です。
複数のWebサイトを抱える広報・マーケティング部門には、レンタルサーバー運用ならではの「3つの見えない負債」が積み上がりがちです。
それは「遅い表示速度による機会損失」、「使っていなくても発生し続ける固定費」、そして「担当者に依存した運用」です。
これらは、日々の運用の中では気づきにくいものの、長期的に見るとWebサイトの運用や改善を妨げる要因になり得ます。
特に、表示速度やサーバー費用だけでなく、ソースコードの管理が担当者に依存している状態は、担当者の異動や退職時の引き継ぎにも影響します。
Cloudflare Pages移行プロジェクトの全容
ここからは、実際にレンタルサーバーからCloudflare Pagesへ移行した際の流れを紹介します。
ステップ① 現在のサイトの中身を確認する
まず、現在のWebサイトにどのようなファイルや機能が存在するのかを確認します。
具体的には、
- どのようなデザイン・機能を利用しているか
- Webサイトを構成しているファイルは何か
- お問い合わせフォームなどの「動的な機能」がどこにあるか
- 外部サービスとどのように連携しているか
などを調査します。
ここを確認せずに移行を進めると、移行後に一部の機能が動かなくなる可能性があります。
そのため、サーバーを移す前に、現在のWebサイトの構成を把握しておくことが重要です。
ステップ② 「完成品ページ」を作る
調査が終わったら、既存のプログラムをレンタルサーバーから抽出します。
このとき大事なのが、既存のプログラム一式を、きちんとした保管庫にも保存しておくことです。
今回は「GitHub(ギットハブ)」という、変更履歴がすべて残るオンライン保管庫にデータを保存しました。
GitHubは、ソースコードを管理できるサービスで、ファイルの変更履歴を残したり、複数人でコードを管理したりできます。
GitHubで管理することで、
- 変更履歴を確認できる
- 過去の状態に戻せる
- 複数人で管理できる
- 担当者が変わっても引き継ぎやすい
といったメリットが得られるようにしました。
これにより、これまで「サーバーの中にしかなかったプログラム」が、外部にもバックアップされ、いつでも元に戻せる状態になります。
「担当者しか分からない」、「サーバーが止まったら復旧できないかも」という不安が、この時点で解消されます。
ステップ③ Cloudflare PagesへWebサイトを移行し、世界中に届ける
作り置きしたページを、今回の引越し先であるCloudflare Pagesに設置します。
Cloudflare Pagesでは、GitHubなどのリポジトリと連携して、ソースコードの変更をきっかけにWebサイトをビルド・公開する仕組みを構築できます。
また、Cloudflareのネットワークを利用してコンテンツを配信できるため、ユーザーのアクセス環境に応じて効率的にWebサイトを配信できます。
さらに、中小規模のサイトであれば無料の範囲内で運用できることも多く、毎月のサーバー代の削減につながります。
ステップ④ 「動く部分」を作り直す
今回の移行で、最も時間がかかったのがここです。
お問い合わせフォームのように「入力して送信する=動く機能」は、そのまま移行しようとするとCloudflare Pages上で動作しない場合があります。
そこで、こうした機能については、それぞれ適した仕組みに置き換えました。
- お問い合わせフォーム:外部の専用フォームサービスへ移行
- サイト内検索:静的サイトでも利用できる検索機能へ変更
このように、Cloudflare Pagesへの移行では「サーバーを変えるだけ」ではなく、現在利用している機能を確認し、必要に応じて構成を変更することが重要です。
ステップ⑤ ドメインを切り替える
Webサイトの移行準備が完了したら、最後にドメインの向き先を新しい環境へ変更します。
ドメインとは、「example.com」のようなWebサイトの住所にあたるものです。
今回の移行では、既存のドメインを維持したまま、アクセス先をレンタルサーバーからCloudflare Pagesへ変更しました。
また、WebサイトのURLが変更になる場合には、旧URLから新URLへのリダイレクトを設定することも重要です。
適切なリダイレクトを設定することで、ユーザーを新しいページへ案内できるだけでなく、検索エンジンにURLの変更を伝えることができます。
ただし、リダイレクトを設定すれば検索順位が必ず維持されるわけではありません。
URL変更を伴う移行では、リダイレクトだけでなく、サイトマップやcanonical、内部リンクなども含めてSEOへの影響を確認する必要があります。
移行でつまずきやすいポイント
今回の移行で特に注意したポイントを整理すると、以下の2つです。
これから検討される方の参考になればと思います。
① 動的な機能への対応
お問い合わせフォームなど、サーバー側で処理している機能は、そのまま移行できない場合があります。
そのため、移行前に「Webサイト上でどのような機能が動いているのか」を確認し、必要に応じて代替サービスや別の仕組みを用意します。
② SEOへの影響
WebサイトのURLを変更する場合は、リダイレクトなどの設定が必要です。
特に企業サイトでは、これまで積み上げてきた検索流入を失わないためにも、移行前後でURLやSEO設定を確認することが重要です。
こうしたポイントを事前に確認することで、Webサイトを大きく止めることなく、新しい環境へ移行できます。
どれも専門的な対応が必要な部分ですが、こうしたポイントさえ押さえれば、速く・安く・安心なサイトへ生まれ変われるということです。
Cloudflare Pagesへの移行で何が変わった?|速度・コスト・運用体制を比較
今回の移行では、Webサイトの表示速度、サーバー費用、ソースコードの管理方法に変化がありました。
| 比較項目 | 移行前 (レンタルサーバー) | 移行後 (Cloudflare pages) | 変化 |
|---|---|---|---|
| ページが表示されるまでの時間 | 約3秒 | 約1.5秒 | 約50%短縮 |
| 月々のサーバー費用 | 月1,320円 | 0円 | 年間約16,000円削減 |
| ソースコードの保管場所 | サーバー上のみ | GitHubでも管理 | 変更履歴・復旧性を改善 |
※ページ表示時間は今回の事例におけるChrome拡張機能「Page load time」を使用して計測した結果です。Webサイトの構成や通信環境、計測方法などによって結果は異なります。
Cloudflare Pagesへの移行が向いている企業
今回のような移行は、すべての企業に必要なわけではありません。
特に、以下のような課題を感じている企業には、一度検討する価値があります。
- Webサイトの表示速度を改善したい
- サーバーの維持費を見直したい
- サーバー管理の負担を減らしたい
- ソースコードを適切に管理したい
- Web担当者の退職・異動による属人化が不安
- 今後も長期的にWebサイトを運用していきたい
一方で、WordPressなどのCMSを利用していて、サーバー上でさまざまな処理を行っているWebサイトの場合、移行にあたって追加の開発や構成変更が必要になることがあります。
そのため、「Cloudflare Pagesへ移行できるか」だけでなく、現在のWebサイトの構成や運用方法を確認したうえで判断することが大切です。
まとめ
今回は、実際にレンタルサーバーからCloudflare PagesへWebサイトを移行した事例をもとに、移行の流れと効果を紹介しました。
今回の事例では、
- 表示速度:約3秒 → 約1.5秒
- サーバー費用:月1,320円 → 0円
- ソースコード:サーバーのみ → GitHubでも管理
という変化がありました。
Webサイトは、一度作って終わりではなく、5年・10年と運用し続ける「資産」です。
だからこそ、目先のサーバー料金だけでなく、「表示速度が事業成長を妨げていないか」や「サーバーが落ちても事業を継続できるか」、「担当者が変わっても運用し続けられるか」という視点が欠かせません。
特にCloudflare Pagesは、無料プランの範囲だけでも多くの中小規模サイトをまかなえるほど強力なサービスです。
「今払っているサーバ代を実は0円にできるかもしれない」そんな可能性はあります。
TERIYAKIでは「今のサーバ料金が適正か知りたい」、「Cloudflare Pagesに移行できるサイトなのか判断したい」といった、初期段階の相談から伴走させていただきます。
Webサイトのサーバー移行や運用環境の見直しをご検討の方は、お気軽にご相談ください。
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※無料プランの数字は2026年8月時点での一般的な内容で記載しています。公開前に Cloudflare Pagesの公式料金ページ (https://pages.cloudflare.com/) で最新の条件を確認することをおすすめします。